近年、注目されている「ミニマルな暮らし」。これは自分にとって本当に必要なものや大切なものだけを持ち、長く使用しつづける最低限の生活を実現させることです。この暮らしを心がけるのが「ミニマリスト」と呼ばれている人々で。その時の流行や気分にとらわれずものを持つ、新たに買い換える必要のない本当に大切に思えるものを持つことが真のミニマリストといえます。これらの考えが生まれた背景には、もともとものが少なかった時代には、ミニマルな暮らしがそもそも成立していたのでそれが当たり前でしたが、技術が発展し利便性を求める考えが広まりさまざまな製品が開発されていく中で、大量生産・大量消費の時代へと移行してしまったことがあります。しかしものが溢れかえり質より量を求める時代になってしまったことで、ごちゃごちゃとした生活は居心地が悪い、すぐに壊れてしまったり飽きてしまう、エコではないという考えを持つ人々が増え、質を重視した方が良いのではないかとふたたびミニマリズムが注目されてきたというわけです。日本人の考え方として「もったいない」精神が一時期海外で話題となりましたが、これはミニマルに通じるものがあります。
「ミニマルな暮らし」をするために参考にされていることは、北欧人の価値観である「ヒュッゲ」です。これは北欧人の生活の多くを過ごす家を重視する考え方で、日常で些細な幸せを発見し心地の良い快適な時間を過ごすという精神です。お気に入りのインテリアやアイテムで空間を彩ったり、エシカルなライフスタイルを心がけることがこのヒュッゲに当てはまります。また、北欧ではメンテナンスを行いながらものを長期間大切に使用するという考え方なので、シンプルな飽きないデザインが人気です。長くものを使うということは、耐久性のあるものや上質なものを使用するということが条件となってきます。その場合、大量生産のものと比較して値段が張ることが多いですが、安価なものを短期間で壊れて買い換えたり他人とものが被る可能性が低くなるため、愛着が湧き大切にできるでしょう。さらに長く使用することで、特に木材や革基調の素材などは経時的に変化していくので、お手入れが楽しめます。このように、最低限のものを持ち、長年大切に使い続けることに楽しみがある「ミニマルな暮らし」。近年話題になっているエシカルな考えとも通ずるものがあり、環境にも優しい生活が実現できます。ぜひライフスタイルとして取り入れてみませんか。